日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.50,No.3 (2022)

表題:
ハードルテクノロジーによる食品の微生物制御
[10]清涼飲料製造におけるハードルテクノロジー
著者:
青山冬樹(アサヒ飲料(株) 研究開発本部 技術研究所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.3,pp.113−119(2022)

清涼飲料の中でもミルクコーヒーを中心とした高温販売を行う低酸性飲料の製造におけるハードルテクノロジーについて紹介した。低酸性飲料はpHが中性付近で水分活性も高く,栄養成分が豊富なため,非常に微生物が増殖しやすい液性を持っている。また高温販売を行うことで,耐熱性が非常に高く殺菌が極めて難しい高温性の芽胞形成細菌を対象として,それらの細菌の至適培養条件に非常に近い高温保存という特殊な条件での保存性を維持するための管理が求められる。これらの清涼飲料水の製造管理には4つのハードル①原材料の微生物コントロール②製品液中の静菌制御③製品の殺菌④保存と販売温度の管理が重要となる。

Key words:
Low acid beverage(低酸性飲料)/Canned coffee(缶入りコーヒー)/Bacteriostatic emulsifier(静菌性乳化剤)/Thermophilic spore-forming bacteria(高温性芽胞形成細菌).