Vol.50,No.3 (2022)
- 表題:
- 食の安全・安心科学−食品製造現場・食品にかかわる微生物汚染とその対策−
[12]LEDの放射特性を利用した微生物制御と食品衛生分野への応用
- 著者:
- 白井昭博(徳島大学大学院社会産業理工学研究部生物資源産業学域,徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所),粟飯原睦美(徳島大学大学院社会産業理工学研究部生物資源産業学域)
- 掲載:
- 日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.3,pp.121−128(2022)
深紫外線領域の光を放つ低圧水銀ランプは,その主波長(254 nm)の故に殺菌用途として空気,液体,固体を対象に汎用されてきた。その一方で,水俣条約(2017年発効)ならびにEU水銀規則(2018年発効)に伴い,水銀を含む製品の製造ならびにその輸出入の厳格な規制が始まっている。このような背景より,近年,開発著しい深紫外線LEDは,紫外線殺菌の代替光源として大いに期待されている。そこで本稿では,深紫外線LEDとviolet LED(405 nm LED)を取り上げ,放射波長およびLED出力に着目して殺菌力そして殺菌機構について解説する。さらに,深紫外線LEDを用いた食品の殺菌処理やLED照射による食品品質への影響を調べた研究事例について紹介する。
- Key words:
- LED/Deep-UV(深紫外線)/Violet LED(バイオレットライト)/Inactivation(不活化)/Food decontamination(食品殺菌)/Food quality(食品品質).