平成30年(2018年)6月13日に公布された食品衛生法等の一部を改正する法律では,原則として全ての食品等事業者において,HACCPに沿った衛生管理に取り組むことが盛り込まれた。事業者側においても,出荷等の検査において品質管理に求められる事項が年々厳しくなってきており,検査における簡便・迅速に結果を得ることが求められている。食中毒などの病原微生物を迅速に検査する手法の一つであるリアルタイムPCR法はサンプル中に特定の核酸領域が含まれるかどうかを蛍光強度としてリアルタイムに検出する方法である。本手法を用いる際にサンプルの前処理には多くの工程を必要であったが,免疫磁気分離(Immunomagnetic Separation:IMS)法を用いることにより,サンプル処理の省力化・短時間化を可能としている。またリアルタイムPCR工程でも複数の病原微生物を対象とする検査を簡便に高精度に解析が行なえるように工夫されていることから,病原微生物分析の実運用面での作業及び検出の効率化に寄与できるものと考える。