日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.50,No.7 (2022)

表題:
炭素数の異なるアルコール11種を用いた殺菌効果の検討(原著論文)
著者:
小武海麻衣(東京医療保健大学大学院 医療保健学研究科 感染制御学,聖路加国際病院 看護部 手術室),岩澤篤郎,松村有里子(東京医療保健大学大学院 医療保健学研究科 感染制御学)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.7,pp.277−283(2022)

アルコールは,飲食用,医療用,および化学工業用など幅広い分野で使用されている。医療用の中でも殺菌を目的としてエタノールやイソプロパノールが用いられているが,常温で保存される液体のアルコールは約20種類あり,殺菌効果が明らかになっているのはごく一部であると言える。本研究では炭素原子数1~5つのアルコールと微生物を用い殺菌試験を実施し,アルコールの構造や炭素原子数の増減が殺菌に与える影響を検討した。殺菌効果はヒドロキシ基の置換位置やアルコールの疎水性が影響しているが,疎水性が高すぎても低すぎても殺菌効果は発揮できず,アルコールの殺菌効果は限界があることが明らかとなった。

Key words:
Alcohol disinfection(アルコール消毒)/Microbicidal effectiveness(殺菌効果)/Alcohol Structure(アルコールの構造)/Hydrophobicity(疎水性)/Chemical properties(化学的性質).