日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.50,No.7 (2022)

表題:
Biocontrol Science Vol.27 No.1 和文解説 Oakmoss成分のアメーバ内外のLegionella pneumophilaとAcanthaomoeba castellaniiに対する効果
著者:
野村陽恵(城西大学薬学部病原微生物学研究室)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.7,pp.305−308(2022)

Acanthamoeba castellaniiはヒトに対して病原性を示すだけでなく,Legionella属細菌の宿主である。天然香料Oakmossとその成分は,Legionella属細菌に対して特異的に抗菌活性を示す。また,それらがA. castellanii中のL. pneumophilaL. pneumophilaが感染したA. casrellaniiに対しても効果を示すことを明らかとした。化合物1,2及び8は,アメーバ内外のL. pneumophilaL. pneumophilaの感染したA. casrellaniiを減少させた。対照的に,化合物5はアメーバ内外のL. pneumophilaを減少させたが,L. pneumophilaの感染したA. casrellaniiの減少は認められなかった。これらのことから,Oakmossの成分は,レジオネラ感染症対策のための新たな消毒薬の候補となり得る事が示唆された。

Key words:
Legionella pneumophila/Acanthamoeba castellanii/Oakmoss/Antibacterial activity(抗菌活性)/Amoebicidal activity(殺アメーバ活性).