長期保存改良型ヨウ化物製剤は11年余りの保存にも拘わらず満足できる殺芽胞活性を残存していた。この試料にヒドロキシルラジカル生成があるかどうか電子スピン共鳴(ESR)法で確認した結果,特徴的なシグナル(1:2:2:1)を検出した。この製剤は,ヒドロキシルラジカル生成の観点から言えば過酸化水素や過酢酸と類似するが,蒸留過程或いは長期保存中に過酸化水素が生成されるかどうかについては更なる検討を要する。芽胞コントロールは多方面の分野で求められる知見と技術でもあることから,この解説文が関係する方々に少しでも興味を持って頂くきっかけとなるとともに更なる追試等を加えていただければ大変嬉しく思う。