本研究では,バイオレット-ブルーライト(ピーク波長:405,412,421,455 nm)を用いて釜揚げしらすの細菌汚染の制御を検討し,狭いバイオレット領域の光が細菌汚染の低減に有効であることを示した。照射直後および照射処理したしらすの冷蔵保存後の生菌数を調べた結果,405 nmと412 nmの殺菌効果ならびに増殖抑制効果が明らかとなった。405 nmでの照射処理は,無照射試料と比較して47%殺菌率を示し,その2日間の冷蔵保存は生菌数の増加を24%に抑えた。次に,生育遅延解析法により,釜揚げしらす由来の分離菌4株は,405 nmでの処理で生育遅延が引き起こされることが分かった。照射処理時間を長くすることで釜揚げしらすの含水量は減少し,塩味が増加した。