Bacillus cereus芽胞の耐熱性に及ぼす高圧あるいはアルカリ性電解水(AlEW)の併用処理の効果を検証した。100MPa程度でも,50℃で60分ほどの圧力処理のみでもおよそ2Logの不活性化効果があったが,AlEWの併用しても効果の増強は認められなかった。高圧処理時間,温度および圧力値の場合でも,AlEWを併用したほうが概ね高い耐熱性を維持する傾向であったことから,AlEWはB. cereus芽胞において,圧力ストレスに対して保護的な効果を持つと考えられた。抗生物質(クロラムフェニコール,リファンピシン,ペニシリンG)を用い,これらに対する感受性の変化に基づいて損傷特徴の把握を試みた結果,高圧単独とAlEW併用処理との間には,損傷の特徴に差があることは明らかであったが,耐熱性と損傷程度の間に明確な関係を見出すことはできなかった。