日本防菌防黴学会

学会のご案内

関連情報

  • English

日本防菌防黴学会誌

Vol.50,No.9 (2022)

表題:
Biocontrol Science Vol.27 No.1 和文解説
焼成カルシウム製剤(シェルコート)はSARS-CoV-2を効率的に不活化する
著者:
畑中律敏,安木真世,山﨑伸二(大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科/大阪府立大学 アジア健康科学研究所/大阪府立大学 大阪国際感染症研究センター),徐 炳婷(大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科),山下泰治,川上大雄((株)かわかみ)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.50,No.9,pp.407(2022)

本研究では,10%乳酸ナトリウム,9.9%エタノール,0.26%水酸化カルシウムと0.01%乳酸からなる貝殻焼成カルシウム製剤(シェルコート)がSARS-CoV-2に対して抗ウイルス活性を有するかどうかについて調べた。その結果,シェルコートはわずか10秒の処理で感染力価6.6 log TCID50/mLのSARS-CoV-2を2.2 log TCID50/mLまで低下させ,20秒の処理では検出限界(2.1 log TCID50/mL)以下となった。また,唾液を想定した有機物存在下でもこの抗ウイルス活性は全く影響を受けなかった。以上の結果より,シェルコートは新型コロナウイルス感染症の制御に有用であると考えられる。

Key words:
貝殻焼成カルシウム製剤/SARS-CoV-2/抗ウイルス活性.