医薬品工場や再生医療施設(細胞培養加工施設:CPC/CPF)において微生物汚染をリスクとして管理することはGMP/GCTP運用する上で必須事項として考えておかなくてはならない。本稿では特に微生物管理を対象としたバイオロジカルクリーンルーム(BCR)内の管理にフォーカスし,製造物に対してリスクとなりやすい微生物の特徴や,構造設備や人/物の動線など微生物汚染しやすい場所について解説する。特に近年ではバイオ医薬などの製造ラインの増加や再生医療の産業化により無菌操作法による製造が求められるようになってきている。また,その流れに伴い,製造環境では安全キャビネットやクリーンベンチを利用した人が介入する開放系による操作も盛んに行われるようになっている。構造設備の管理不備や人/物による持ち込みのリスクを考えながら各施設における対策が根拠立てて講じることが必須になってきているため本稿における事例を参考にしていただければ幸いである。