日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.51,No.1 (2023)

表題:
サルモネラ食中毒予防のための衛生管理と簡易迅速検査法
著者:
小西典子(東京都健康安全研究センター 微生物部),甲斐明美(公益社団法人日本食品衛生協会 食品衛生研究所 微生物試験部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.51,No.1,pp.27−32(2023)

わが国におけるサルモネラ食中毒は,1999年のピーク時には年間の事件数825件が報告されたが,多くの対策が功を奏し,2012年以降は年間40件以下で推移している。最近の食中毒の原因食品は,卵類よりも肉類,特に鶏肉や野菜類およびその加工品が多く,複雑化している。この傾向は米国でも同じである。また,海外では食肉に限らず,野菜や菓子などによる広域的サルモネラ食中毒も報告されている。食品を対象とした細菌学的試験法には,公定法のほかにも種々あり,インハウスの衛生管理では簡易・迅速試験法が使われることが多い。簡易迅速試験法の概略と,それぞれの長所・短所を紹介する。2021年6月から本格的実施となったHACCPに基づく,あるいはHACCPの考え方を取り入れた衛生管理の中には,検証があることを忘れてはならない。簡易迅速試験法は検証のための非常に有用なツールと考えられるが,その使い方を間違えない様にすることも重要である。

Key words:
Salmonella(サルモネラ属菌)/Foodborne disease(食中毒)/Simple and rapid method(簡易迅速法).