日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.51,No.1 (2023)

表題:
環境衛生のバリデーション
[5]医薬品製造工場における防虫対策とこれからの展望
著者:
谷川夏樹(アース環境サービス(株) 学術部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.51,No.1,pp.33−39(2023)

医薬品を製造する施設において,防虫管理は昆虫のみではなく,微生物管理の面でも重要な役割を果たす。防虫管理の活動内容はさまざまであり,施設の構造や運用状況,製造している製品の特徴,組織体制などにより内容が異なる。効果的で効率的な防虫管理を行うためには,昆虫そのものだけに注目するのではなく,虫が侵入するリスクがある場所や状況,昆虫が発生するリスクがある場所や状況に注目し,それらを管理する必要がある。また,最近では,その活動による対策効果に加え,管理基準やモニタリングポイントを根拠に基づいて設定することなどが求められるようになっている。本稿では,医薬品製造工場における最近の防虫管理の考え方について,防虫リスクアセスメントやその結果に基づく防虫プログラムの作成,モニタリングポイント設定,管理基準設定の事例を交えて紹介する。

Key words:
Pest management(防虫管理)/Pharmaceutical manufacturing facilities(医薬品の製造施設)/Risk assessment(リスクアセスメント)/Microbial contamination(微生物汚染)/Pest countermeasures(防虫対策).