食品中の微生物試験法に関する国際規格では,ISO16140シリーズが中心である。15種類の食品カテゴリーに加えて,その他のカテゴリーとして,ペットフード,環境試料,一次生産試料を加えた,計18種類のマトリクス中の微生物を検出あるいは定量するための試験法が対象である。我が国では厚労省の科学研究によって国際的に通用する一連の標準法(NIHSJ法)の開発を進められているが,参照しているのがISO法である。バリデーション(妥当性確認)に関しては,ISO16140が手本となってきたが,近年,内容が広範になり,Part 1~Part 6まで分冊化して出版されている。因みに。Part 1は用語,Part 2は元々の規格でバリデーション,Part 3はベリフィケーション(検証),等となっている。現在,中心規格のPart 2の修正(Amendment,CD段階の文書化を目指している)の議論がISO TC34/SC9のワーキンググループWG3(バリデーション),WG2(統計学)を中心に盛んに行われている。WG2のエキスパートとして参加しながら得られる情報を基に国際動向と展望について概説する。