カンピロバクター食中毒予防対策を講じるため,調理段階の汚染実態を定量する必要がある。そこで低菌量を定量的に測定できるDirect-qPCR法を用いて,モデル実験後の生残数を測定し,三次汚染や除菌・殺菌効果を数値化することを目的とした。三次汚染調理モデル実験の結果,三次汚染率はまな板で3.07~5.38%で最も高かった。ほうれんそうでは,茹での方が生より汚染率が高かった。汚染発生率はまな板が最も高かった。除菌・殺菌モデル実験の結果,菌液を吸い取り,殺菌剤噴霧後に拭き取ることで,トレーの生残数が検出されなくなった。しかし全てのふきんでC. jejuniの生残が確認され,調理時の取り扱いに注意が必要であることが分かった。殺菌剤について,酸性電解水のほうがアルコールより生残数が少なくなった。またDirect-qPCR法は食中毒の原因食品調査などリスクアセスメントに有効だった。