プラズマ放電による空気中イオンが細菌やウイルスを殺滅することが報告され,市販の家庭用電気製品にも広く利用されている。しかし,これらの殺微生物効果は,限られた密閉空間での評価が多く,また,その主な作用はオゾンによるものと指摘されている。今回我々は,マイクロプラズマ放電装置を用い空気が流通する開放系でのインフルエンザウイルスの不活化効果について検討した。その結果,滅菌ガーゼに接種した試験ウイルスの感染価(TCID50/mL)の減少率は処理なしの対照に比べ1時間後93.2%,2時間後は99.3%と感染力価の低減効果が見られた。今回検討に用いたマイクロプラズマ放電装置は医療現場やその他環境からの接触感染経路による感染対策に応用が可能であると考えられた。