Vol.51,No.4 (2023)
- 表題:
- 体臭の原因とされる皮膚常在菌に対する分岐型脂肪酸塩の除菌活性(原著論文)
- 著者:
- 飛田幸祐,林 琴美,森田 洋(北九州市立大学大学院・国際環境工学研究科),澤口 朗(宮崎大学・医学部),好田年成(日産化学(株)),中島 淳,森田洋司(日星産業(株))
- 掲載:
- 日本防菌防黴学会誌,Vol.51,No.4,pp.155−164(2023)
悪臭の原因菌とされるMoraxella osloensisなどの皮膚常在菌の増殖を抑制できる新規薬剤の探索を目的として,分岐型の脂肪酸カリウム塩に着目し,細菌への除菌活性を評価した。効果の高かったものは細菌汚染布を用いた除菌活性の測定試験を用いて洗濯洗剤への応用可能性について評価を行った。炭素数16の2-ヘキシルデカン酸カリウム(isoC16K)が最も高い除菌効果を示した。TEM観察によって,この薬剤の作用は主に細胞表面への直接的な作用機序で有することが示唆された。更に汚染布を用いた除菌活性測定試験を行ったところ,0.4(wt/v)%で使用することで布に付着した皮膚常在菌の生菌数を約6 log減少させることが明らかとなり,isoC16Kは新たな除菌液体洗濯洗剤の開発に貢献できると期待される。
- Key words:
- Antibacterial activity(除菌活性)/Branched fatty acid salts(分岐型脂肪酸塩)/Anionic surfactants(陰イオン性界面活性剤)/Indigenous skin bacteria(皮膚常在菌)/Moraxella osloensis.
資料内容大意