日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.51,No.4 (2023)

表題:
ATPふき取り検査の効果的な衛生管理への活用と新規なATP+ADP+AMP(A3)法への進化
著者:
志賀一樹,場家幹雄(キッコーマンバイオケミファ(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.51,No.4,pp.173−181(2023)

ATPを指標として衛生状態をモニタリングする迅速検査は,製造設備の洗浄確認など食品業界で幅広く使用されている。ATP検査はその場で,簡単に約10秒程度で定量的に清浄度を確認することができるが,実際にATP検査を現場で実践的に活用するためには,正確な知識や,検証に基づいた基準値の設定,市販されているATP検査キットのそれぞれの特性の違いなどを把握する必要がある。本稿では,ATP検査の実践的な応用例や,使い方の注意事項等を説明する。特に培養法に基づいた菌検査や抗体法を使用したアレルゲン検査との違いを明確にしながら,現場でハザード管理にATP検査を活用する方法について実例を示しながら解説する。また,食品産業以外での使用例についても紹介する。さらに,近年,ATPだけでなく,ADPとAMPも同時に測定するA3法が開発された。A3法の従来のATP検査に対する優位性,およびA3法を活用した衛生管理の実際を解説する。

Key words:
ATP test/Hygiene monitoring/Hazard management/Food residue detection/Rapid detection/ATP+ADP+AMP. 講座内容大意