新型コロナウイルス感染症が発生して以降,殺菌消毒を目的とした医薬品等の製品や,除菌等を目的としたいわゆる雑貨品が汎用されているが,これらの感染対策に用いる製品は,開発時の基本的な性能確認,あるいは新興感染症や様々な感染症の発生時に消毒対象とする微生物への効果を調べる目的等,様々な機会で有効性の評価が行われる。本講座では,殺菌消毒薬のうち特に手指消毒薬で微生物に対する有効性を調べる際に,試験法の選択にあたっての基本的な考え方,実使用を想定した反応条件や負荷物質等の条件設定における留意点について述べると共に,国内外の試験法,特に欧米で標準化されているin vitro,およびin vivoの試験法を中心に概説を行う。