21種類のL-アミノ酸を対象に,5分間の接触時間における塩素要求量を測定した。100 mg Cl2/Lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いて,5 mg/Lのアミノ酸水溶液(pH 8.0~8.5)を滴定した。塩素要求量は,1モルのアミノ酸あたりに消費された遊離塩素のモル数の比率(mol Cl2/mol)で表した。塩素要求量は,0.52~2.71 mol/molの範囲にあった。塩素要求量が1.0 mol/molを超えるアミノ酸の中で,反応性の順番はシステイン>リシン>シスチン>アルギニン>グルタミン>アスパラギン>トリプトファン>グルタミン酸>アスパラギン酸であった。次亜塩素酸の消費の多くは,チオール基とα-およびε-アミノ基で起こっていると考えられた。また,α-アミノ基の塩素化で生成したN-クロラミン種の加水分解で再生した次亜塩素酸が,見かけ上塩素要求量を減少させていることも示唆された。