コロナ禍においても,消費者が求める「食の安全・安心」に対する関心は益々高まっている。厚生労働省はすべての食品製造業者に対してHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point:危害要因分析重要管理点)制度を義務化(2021年6月1日)した。加えて,食品製造業者によっては,国際標準化機構(International Organization for Standardization)の品質マネジメントシステムISO9001や一般社団法人食品安全マネジメント協会(Japan Food Safety Management Association)のJFS規格などの自主的導入によって,食品の衛生・安全性や品質の管理,さらに,完全なトレーサビリティシステム(Traceability system)の構築を目指している。この機会に,HACCPとトレーサビリティについて概説する。