日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.51,No.7 (2023)

表題:
光触媒による抗微生物効果
著者:
石黒 斉(地方独立行政法人 神奈川県立産業技術総合研究所・研究開発部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.51,No.7(記念号),pp.455−458(2023)

光触媒は強い酸化還元反応により,有機物を分解する機能を持っている。それを応用して,細菌やウイルスを始め,様々な微生物を分解する抗微生物製品の開発が進められている。特に,2020年から広がったSARS-CoV-2の感染により,様々な抗ウイルス光触媒加工材料や製品の研究開発が急速に進められた。我々や他の研究グループは光触媒がSARS-CoV-2を不活化するかを検討した。その結果,紫外光や可視光に応答する光触媒がSARS-CoV-2を不活化することが明らかとなった。このことから,光触媒材料を用いた製品開発が感染リスクを下げることが可能と考えられる。ここでは,光触媒とその抗ウイルス性能を利用した研究開発状況と性能評価方法の標準化について紹介する。

Key words:
Photocatalyst(光触媒)/Titanium dioxide(酸化チタン)/SARS-CoV-2(新型コロナウイルス).