食肉製品は,1993(平成5)年3月に行われた食品衛生法施行規則及び食品添加物の規格基準の一部改正の中に含まれ,表示基準及び規格基準が改正された。その要点は,近年わが国における食肉製品の嗜好の多様化,製造技術の進歩,低温流通の進歩等により,これまでわが国で製造,販売が認められていなかった製品について,新しい規格基準を設定するとともに,既存の規格基準についても一部改正を行った。また,2014(平成26)年には非加熱食肉製品の微生物基準の一部(リステリア・モノサイトゲネス)が改正され,国際規格と整合性が保たれる規格基準となった。このことは,諸外国の食肉製品の円滑な輸入と流通に大いに役立っている。本講座では,安全な食肉製品を提供するために数次改正された,食肉製品の規格基準の概要を紹介し,併せてウインナーソーセージの製造方法を例示し,各工程における微生物の制御方法等衛生管理のポイントを紹介する。