新型コロナウイルス感染症の感染拡大前後でトイレの掃除頻度が増えている一方で,トイレの床の掃除頻度の少ない家庭が多いことが明らかとなっている。床の掃除は手間がかかるため,揮発性の抗菌性能を持つ芳香消臭剤を用いることは洗うことのできない床で増殖する菌への対処方法の1つとなる。抗菌性能を評価する一般的な方法としては比較的小さな密閉空間を用いることが多い。本研究では,日本の一般家庭のトイレを調査し,容積が約2,500 L,換気回数が1時間で約9回のトイレ模擬空間を設定した。この模擬空間を用いて構築した芳香消臭剤の抗菌性能評価法では,試験ばらつきがなく経時的な抗菌効果の有無を評価し得ることを確認した。今回構築した評価法を基に,生活環境の変化に合わせて適切な評価指針を定め,芳香消臭剤を評価してくことで消費者が安心できる製品価値を提供することに繋がるだろう。