日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.51,No.10 (2023)

表題:
シリコーンゴムを透過した気体状モノクロラミンによる種々の微生物の不活化(短報)
著者:
髙橋和宏(岡山県工業技術センター),大村蒼志,福﨑智司(三重大学大学院生物資源学研究科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.51,No.10,pp.581−585(2023)

モノクロラミン(NH2Cl)のシリコーンゴム透過性とその微生物制御への適用について研究した。pH 8.5のNH2Cl水溶液またはpH 5.0の次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)水溶液を封入したシリコーンゴムチューブをポリカーボネート製の箱(PC箱)に設置した。気体状NH2Cl(NH2Cl(g))の濃度は時間に応じて増加し,その量は同条件での気体状HOCl濃度よりも高濃度であった。シリコーンゴムチューブを透過気化したNH2Cl(g)は生理食塩水寒天上のStaphylococcus aureus,Escherichia coli,Cladosporium sphaerospermumの胞子,Geobacillus stearothermophilus芽胞に対する優れた不活化効果を示した。NH2Cl(g)の不活化効果はNH2Cl(g)の濃度と作用時間の積に依存した。

Key words:
Gaseous monochloramine(気体状モノクロラミン)/Silicone rubber(シリコーンゴム)/Pervaporation(透過気化)/Inactivation of microorganisms(微生物の不活化).