室内塵中のカビ汚染に影響する環境要因を,DG18培地とマイコセル培地を用いて解析した。とりわけ,好ケラチンカビは日和見皮膚感染症の原因になるので注目した。一般カビは,乾燥しやすい環境である集合住宅の上層階,さらに新しい住宅で少ない傾向がみられた。一方,好ケラチンカビは,ペットを飼っている住宅で多く,ペットの体毛などの影響が認められた。とりわけ,イヌよりネコを飼育している場合に多い傾向があった。カビ汚染の制御のために掃除について検討した。掃除頻度の高い方が,好ケラチンカビを制御できた。また,その除去に拭き掃除は有効で,掃除機のみで床掃除をするより,カビ汚染をより抑制できると考えられる。