日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.52,No.4 (2024)

表題:
「胞子」をつくる細菌と真菌の基礎講座
[1]微生物の多様性と分類
著者:
龍田典子(佐賀大学・総合分析実験センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.52,No.4,pp.173−176(2024)

微生物(microorganism, microbe)とは,肉眼では見えないほど小さな生物の総称である。17世紀末,オランダのレーヴェンフックは,自作の顕微鏡で微生物を発見し,歴史上初めてその存在を発表した。一部を除き,大部分の微生物の大きさは,おおよそ数µm〜数十µm程度である。人が肉眼で見える大きさは,100〜200 µm程度(おおよそ髪の毛の細さ)と言われているため,まさに肉眼で見ることができない小さな生き物である。上述の通り,微生物とは総称であり,その中には原核生物である細菌や古細菌,真核生物である真菌,原生生物など多様な種類の生物が含まれている。本稿では,微生物の多様性や分類に焦点を当て,系統学的な位置付けにも言及しながら,基礎的な内容について述べる。

Key words:
Microorganism/Eubacteria/Archaea/Eukaryote/Classification.