芽胞形成細菌制御のための新しい微生物安全保証の考え方と実際を解説。最適殺菌条件設定や制御のためのF値を応用し定式化した。個々の増殖抑制要因(ハードル)のD値からF値を求める評価方法の実際を紹介する。これはF値の新たな役割に着眼し、生菌数の減少をD値に換算して求め、D値のトータルをF値として微生物的安全性を評価する手法である。非加熱食品はもとより、製品の特性上十分な加熱殺菌を行えない食品においても、F値の応用により科学的裏付けのある製品の芽胞形成細菌制御、商業的無菌の保証が可能となり、微生物に対する危害発生予想率107分の1の安全性の設定が可能となる。その具体的な進め方を9回に分け紹介する。