日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.52,No.7 (2024)

表題:
トイレ用芳香洗浄剤が黒ずみの形成を遅延させる効果を評価するためのラボモデルの確立(原著論文)
著者:
鳥井一宏,濱田昌子,五味満裕(小林製薬(株)・中央研究所・基盤研究部),小矢野大知,前川大輔,(小林製薬(株)・日用品事業部),中嶋絵里,西田倫希,射本康夫,(一般財団法人日本繊維製品品質技術センター・神戸試験センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.52,No.7,pp.293−300(2024)

トイレ便器内の黒ずみの形成を予防するトイレ用芳香洗浄剤の開発が望まれている。実際の家庭における黒ずみの形成遅延効果を評価するためには,多くの時間とコストを要するため,我々は簡便かつ短期間で評価が可能なラボモデルの確立を行った。トイレ便器内の栄養状態を調査し,便器喫水部の栄養条件を再現することで,ラボモデルにおいて黒ずみの形成が確認され,実際の家庭における黒ずみと形態的に類似した黒ずみの形成が確認された。また,各種除菌剤を含むトイレ用芳香洗浄剤の種類や濃度によって黒ずみの形成遅延効果に差が確認された。加えて,実際の家庭における黒ずみの形成遅延効果と比較し,ラボモデルにおいて黒ずみの形成遅延効果の高い洗浄剤は,実際の家庭においても高い黒ずみの形成遅延効果が確認された。以上より,本ラボモデルは,実際の家庭における黒ずみの形成遅延効果に対する有効性を短期間かつ簡易に評価する方法として活用できる可能性が示された。

Key words:
Toilet(トイレ)/Biofilm(バイオフィルム)/Black dirt(黒ずみ)/Delay effect(遅延効果)/Laboratory model(ラボモデル).