日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.52,No.9 (2024)

表題:
家庭の安全・安心科学
-家庭における微生物汚染とその対策-
[17]家庭でできる口腔ケア
著者:
村井浩紀(サラヤ(株) 商品開発本部 サラヤ総合研究所 微生物研究センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.52,No.9,pp.389−393(2024)

家庭における微生物汚染とその対策としてオーラルケアをテーマにするのは少々違和感があるかもしれないが,口腔内で起こる様々なトラブルは紛れもなく微生物汚染よって起こるものである。口腔内には約700種類の細菌が存在し,ヒトを宿主とする細菌叢としては最大級コミュニティが築かれているといえる。口腔内の微生物汚染によって起こるトラブルとして代表的なものがう蝕と歯周病であり,それぞれ異なる微生物の汚染によって引き起こされることがこれまでの研究によって明らかになってきた。う蝕・歯周病の対策は将来の口腔機能を守り,全身の健康を維持するために必須であり,予防手段として家庭でのオーラルケアが重要な役割を果たしている。本稿では家庭でできるオーラルケアによって微生物汚染を防ぐポイントをご紹介したい。

Key words:
Oral care/Self-care/Caries/Periodontitis/Oral bacteria.