皮膚表面には細菌,真菌,ウイルスなどから構成される皮膚常在微生物叢(皮膚マイクロバイオーム)が存在し,免疫細胞とのクロストークを介して宿主の恒常性維持や感染防御に寄与している。尋常性乾癬患者の皮膚では皮膚マイクロバイオームのバランスの乱れ(ディスバイオーシス)が観察され,疾患の病態への関与が示唆されている。皮膚常在真菌は,皮膚に定着することでIL-17A産生能をもつT細胞を局所に誘導する。皮膚常在真菌の一つであるCandida albicans(C. albicans)が定着した皮膚では真菌抗原特異的なIL-17産生エフェクターCD4陽性T細胞が誘導され,マウス乾癬皮膚炎が増悪する。すなわち,皮膚常在真菌の一つであるC. albicansが宿主皮膚免疫細胞に影響を与えることで,尋常性乾癬の病態において炎症反応の誘導や増悪に関与する可能性が示された。