日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.52,No.9 (2024)

表題:
歯科医療分野における微生物制御
[6]フッ化物配合歯磨剤の効果的な使用方法
著者:
石塚洋一(東京歯科大学 衛生学講座)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.52,No.9,pp.401−407(2024)

今日,齲蝕に対抗するために,多くの齲蝕予防戦略が用いられており,中でもフッ化物応用は,半世紀以上にわたる研究に支えられ,齲蝕予防としての効果が明確に確立されている手段である。今回は,これまで最も広く使用され,多くの人にとって,最も身近なフッ化物応用法であるフッ化物配合歯磨剤の効果的な使用方法を紹介する。齲蝕予防のためのフッ化物配合歯磨剤の効果には,製品のフッ化物濃度,使用頻度,使用量,すすぎ方など,さまざまな要因が影響する。フッ化物配合歯磨剤は,歯科医師や歯科衛生士だけでなく,患者や一般の生活者も毎日使用する。せっかく使用するならば,その効果を十分に得たいものである。フッ化物配合歯磨剤の最適な効果を得るために,製品の選択だけでなく,個人の行動も重要であることが知られている。日々のセルフケアを楽しく,効果的に行っていただくためにも,フッ化物配合歯磨剤の効果的な使用方法が広まることが期待される。

Key words:
Fluoride(フッ化物)/Fluoride toothpaste(フッ化物配合歯磨剤)/Fluoride retention(フッ化物保持)/Toothbrushing routines(ブラッシングルーティン)/Fluoride concentration(フッ化物濃度).