著者らは,これまでに連続フロー式誘電泳動システム(Continuous-Flow Dielectrophoresis System:CFDS)と定量PCR法(以下,qPCR法)を組み合わせた手法(以下,本法)を用いたレジオネラ属菌(以下,レジオネラ)標準菌株(JCM7571)の生菌の定量性について検討した。本研究では,浴槽水等の実試料を用いて,培養法,qPCR法,および本法によるレジオネラ検出の比較を行い,実試料への適用の可否を検証した。その結果,実試料に対してCFDS処理を行うことによってqPCR法の感度および特異度が上昇することを確認した。このことにより,本法は浴槽水等のレジオネラ検出法として有効な手段であると考えられる。