「災害時における微生物汚染の対策の重要性と今後の課題」を,避難所・避難生活の衛生対策から考える。2024(令和6)年1月1日に起きた令和6年能登半島地震は,地震の規模マグニチュード7.6,最大震度7を観測して能登半島を中心に強い揺れが起きた。9月21日には,前線や低気圧の影響で,石川県で記録的な大雨となり,輪島市や珠洲市などで土砂崩れ,浸水被害が広がった。奥能登豪雨である。能登半島地震,奥能登豪雨の被災地をとおして,避難所・避難生活の衛生対策を掘り下げていく。災害時における微生物汚染を,レジオネラ属菌,食中毒菌,カビの三つの項目から深く見る。災害時に大切なのは,平時と同様に,微生物汚染による健康被害を起こさないことだ。市民の命・健康をまもることである。私が所属した,公衆衛生の最前線にある保健所の役割・目指すものと重なる。