日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 33, No.1 (2005)



表 題 蛍光活性染色法による注射用水製造工程の衛生微生物学的評価
著 者 荒賀昌幸 (丸石製薬(株)製造企画部), 山口進康, 那須正夫 (大阪大学大学院薬学研究科)
掲 載 防菌防黴, Vol.33, No.1, pp.7-12 (2005)

 注射用水の各製造工程における菌数測定を, 蛍光活性染色法および寒天平板混釈法を用いて行った。 寒天平板混釈法では R2A 寒天培地から標準寒天培地に比べて1~500倍の生菌が検出され, 6-carboxyfluorescein diacetate (6CFDA) を用いた蛍光活性染色法では R2A 寒天培地のさらに1~20倍のエステラーゼ活性を持つ細菌が検出された。 DAPI 染色により求めた全菌数はエステラーゼ活性を持つ細菌数の2~70倍であり, 103~105cells/ml であった。 また季節変動として, 水温の低下にともなう菌数の減少が認められた。 各製造工程における菌数は, 市水から活性炭塔通過後まで増加傾向を示した。 標準寒天培地では検出できない菌数の変化が, R2A 寒天培地や蛍光活性染色法 (6CFDA 染色法) では可能であったことから, これらの方法は注射用水製造工程の細菌数モニタリングに優れていると考えられた。
Key words Water for injection (注射用水)/Microbial monitoring (微生物モニタリング)/Fluorescent vital staining (蛍光活性染色).