日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 33, No.2 (2005)



表 題 塩酸を原料にした微酸性電解水の物理学的性質
著 者 鈴木 潔, 中村悌一, 小久保貞之, 冨田 守 (森永乳業(株)食品総合研究所, 機能水プロジェクト)
掲 載 防菌防黴, Vol.33, No.2, pp.55-62 (2005)

 微酸性電解水の吸光パターン (350nm-200nm) はそれぞれ pH3,6,および9に調整した強酸性電解水, 次亜塩素酸ナトリウム溶液および塩素水の吸光パターンと同じであった。 微酸性電解水の pH を10%NaOH で調整したとき, OD235の値は高橋の式を用いて計算した値とよく一致した。 水道水を原水にして製造した微酸性電解水は有効塩素濃度10-30ppmの範囲で pH6付近の微酸性電解水を製造できた。 しかし微酸性電解水の pH は原水の緩衝能に影響された。 微酸性電解水の酸化還元電位測定値は式 (16) で計算した値とよく一致した。 そのため, 微酸性電解水に溶存する塩素 (Cl2(aq)) は微酸性電解水の酸化還元電位に関係していないと考えられる。 微酸性電解水の貯蔵性はその pH の違いが原因で強酸性電解水より優れていた。
Key words Slightly acidic electrolyzed water (微酸性電解水)/Optical density (吸光度)/ ORP (酸化還元電位)/Conservation (保存性)/ Absorbance spectrum (吸光スペクトル).