日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 33, No.3 (2005)



表 題 丸体キュウリにおける大腸菌 O157ならびに Salmonella Enteritidis の消長および殺菌方法の検討
著 者 古田宗宜, 小田隆弘, 稲益建夫 (中村学園大学短期大学部食物栄養科)
近江雅代 (中村学園大学栄養科学部)
掲 載 防菌防黴, Vol.33, No.3, pp.111-118 (2005)

 丸体キュウリにおいて大腸菌 O157および Salmonella Enteritidis が長期間生残するのかを調べるため, 丸体キュウリに両菌を別個に接種し, 保存温度と保存期間を変えてそれぞれの菌数の消長実験と菌の形態変化の観察を行った。 その結果, 丸体キュウリにおける O157および S. Enteritidis は, 10℃, 20℃では14日後まで菌数が変化することなく, ほぼ温存されることが判明した。 なお, その時, 両菌はキュウリ表面や他の菌体とピリ様物質により強く付着して生残していることが観察された。 丸体キュウリにおける O157の効果的な殺菌条件について調べたところ, 次亜塩素酸ナトリウム100ppm 10分間浸漬法, および, それに超音波処理を併用した条件は, O157に対する殺菌効果は得られなかった。 一方, 沸騰水での10秒間のブランチング処理により O157は0.30 log MPN/g 未満にまで減少し, 丸体キュウリでは上記のブランチング処理殺菌法が効果的であることが確認された。
Key words Uncut whole cucumber (丸体キュウリ)/Escherichia coli O157 (大腸菌O157)/Salmonella Enteritidis (サルモネラ エンテリティディス)/Survival test (消長試験)/Steriliza-tion test (殺菌試験)