日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 33, No.12 (2005)



表 題 オカラコンポスト過程を利用した生分解性繊維の分解
著 者 三村治夫(神戸大学海事科学部),前田健治(山陽テクノ(株))
掲 載 防菌防黴, Vol.33, No.12, pp.651-655 (2005)

 生分解性繊維の分解実験を, B. subtilis HR6 株を用いてコンポスト過程にあるオカラへ埋設することにより行った。 分解実験中, コンポストは70℃付近の発酵熱があり, アンモニアガスの発生 (1,400-600ppm) が確認された。 埋設実験開始一日後, 生分解性繊維の引っ張り強度と伸び率測定を行った。 引っ張り強度は, 平均値で縦方向では63.9%, 横方向では76.7%, それぞれ減少した。 縦方向の伸び率は, 平均値で45.3から12.4%へ減少し, 横方向の伸び率は, 平均値で60.2から18.3%へ減少した。 走査型電子顕微鏡観察により, 繊維にひび割れや破断が起きていることが明らかとなった。 これらの結果は, B. subtilis HR6 株を用いてコンポスト過程にあるオカラが, 生分解性繊維の迅速な分解に適した雰囲気であること, 及びコンポスト過程を利用すれば生分解性繊維の迅速な分解が行なえる事を示唆している。
Key words Biodegradable textile (生分解性繊維)/Bacillus subtilis HR6 (バシラス サチリス HR6株)/Bean curd refuse (オカラ)/Compost (コンポスト).