表 題 |
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病院内水道水からの貧栄養細菌の分離状況 |
著 者 |
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古畑勝則, 福山正文 (麻布大学) |
掲 載 |
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防菌防黴, Vol.34, No.6, pp.323-328 (2006) |
病院内水道水中に生息する貧栄養細菌の分布状況を把握するために, R2A 寒天培地を用いて混釈し, 25℃で7日間培養したところ, 関東地方を中心に全国各地から採取した271試料中222試料
(81.9%) から分離され, 貧栄養細菌は非常に高率に生息していることが明らかになった。 これらの分離状況を地理的あるいは病院の経営形態別にみたが,
特に顕著な傾向は認められなかった。 分離された貧栄養細菌数は1.0×100CFU/ml~2.8×104CFU/ml と試料によってかなりの差がみられたが,
1.0×101CFU/ml 未満の試料が54試料 (24.3%) と最も多かった。 分離された貧栄養細菌は538株中457株 (84.9%)
がグラム陰性桿菌であり, Methylobacterium が108株 (23.6%) と最も多く, 次に Pseudomonas が71株
(15.5%) であった。 しかし, 274株 (60.0%) は同定できなかった。 また, グラム陽性桿菌では Bacillus や
Corynebacterium , 球菌では Micrococcus や Staphylococcus が低率ながら分離された。
以上のことから易感染者が病院内において水道水を直接利用する場合には, 水道水中に生息し, しかも日和見感染原因菌となりうる貧栄養細菌を十分に考慮する必要がある。
Key words |
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Oligotrophic bacteria (貧栄養細菌)/ Tap water (飲料水)/Hospital
(病院). |
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