表 題 |
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潜在的感染能を有する腐生性真菌の生物学的特性 |
著 者 |
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荒川京子 (国立感染症研究所・寄生動物部), 高鳥浩介 (国立食品医薬品衛生研究所・衛生微生物部), 澤田拓士 (日本獣医畜産大学獣医学部・獣医微生物学教室) |
掲 載 |
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防菌防黴, Vol.34, No.7, pp.391-395 (2006) |
腐生性真菌について人や動物の日和見的深在性真菌症を生じさせる可能性を予測するために, 生体内環境に対する真菌の適応性すなわち, 1) 30℃から50℃までの培養温度による高温耐性,
2) CO2インキュベーターおよび微好気性バッグでの培養による低酸素耐性, 3) pH2からpH10までの培養による耐強酸性の3要因について試験した。
16種の腐生性真菌, Aspergillus fumiga-tus,
A. flavus, A. terreus, A. versicolor, Absidia corymbifera, Mucor sp.,
Chaetomium globosum, Emericella nidulans, Eurotium chevalieri, Alternaria
alternata, Cladosporium cladosporioides, Fusarium oxysporum, Geotricum
candidum, Paecilomyces variotii, Penicillium glabrum, P. cyclopium を用いた。 その結果, Aspergillus 属および接合菌類, P.
variotii
はこれら3要因のいずれにおいても適応性が高いことが確認され, また G.
candidum は耐強酸性であった。 しかし, その他の真菌における適応性は高くはなかった。
Key words |
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Saprophytic fungi
(腐生性真菌)/Ther-mo tolerant (耐高温性)/Low oxygen incubation (低酸素培養)/Acid-tolerant
(耐酸性). |
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