日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 34, No.8 (2006)



表 題 弱酸性次亜塩素酸水の噴霧による種卵消毒に関する研究
著 者 小野朋子, 三宅真名, 山下光治 ((株)エイチ・エス・ピー 技術開発部)
掲 載 防菌防黴, Vol.34, No.8, pp.465-469 (2006)

弱酸性次亜塩素酸水 (WAHW) は次亜塩素酸ナトリウムに塩酸を混合して pH を5.5~6.5に調製したものである。 本研究では種鶏場における種卵消毒にホルマリン燻蒸の代替法として弱酸性次亜塩素酸水の噴霧消毒法が適用できるかどうかの検討を行った。 基礎試験において, ガラスシャーレ表面上に S. aureus, 試験用卵殻表面上に種卵から採取した卵殻表面存在菌をそれぞれ塗布して WAHW の噴霧処理を行った結果, 残存率は1% 以下となり消毒効果が認められた。 実用試験においては種卵168~1848個を 7.1 mg/m3・1.5 h の条件で WAHW の噴霧消毒を行った。 その結果, 卵殻表面の消毒効果および対熟孵化率とも, 現行のホルマリン燻蒸とほぼ同等であった。 以上の結果より, 本方法はホルマリン代替種卵消毒法として有用性が高い方法であることが示唆された。
Key words Weak acid hypochlorous water (弱酸性次亜塩素酸水)/Disinfection effect (殺菌効果)/Hatching Eggs (種卵)/Mist (噴霧)/Hatch of Fertile (対熟孵化率).