表 題 |
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日本の土壌における耐熱性好酸性菌の分離状況 |
著 者 |
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古畑勝則, 福山正文 (麻布大学), 加藤裕子, 後藤慶一 (三井農林(株)) |
掲 載 |
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防菌防黴, Vol.35, No.2, pp.73-79 (2007) |
我国の果樹園を中心とした土壌における耐熱性好酸性菌 (TAB) の生息状況を把握するため, 各地の土壌から TAB の分離を試みたところ, 全体では208試料中53試料 (25.5%) から分離された。 地理的には顕著な傾向はみられず, 北海道から九州まで生息していた。 季節的には, 春期から夏期にかけて分離率がやや高く, 秋期から冬期にかけては分離率が減少する傾向が認められた。 また, 果実の種類による TAB の生息状況では, 柿畑の土壌で35.7%と最も分離率が高かったが, 果実の種類においては特徴的な傾向は認められなかった。 さらに, 本菌は pH3.9~7.4の範囲の土壌から分離され, 酸性土壌に限らず広く生息していることが明らかになった。 分離された TAB のうち, グアイアコール産生株が64.2%に認められたことから, これらが果汁飲料を汚染した場合には製品を変敗する可能性が示唆された。
Key words |
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Thermotolerant acidophilic bacteria (TAB) (耐熱性好酸性菌)/Soil (土壌)/Distribution (分布). |
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