日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 35, No.3 (2007)



表 題 青果物/カット青果物の衛生管理法と微生物制御技術[6]
化学的微生物制御技術 (1)酸性電解水とオゾン水
著 者 小関成樹 (農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所)
掲 載 防菌防黴, Vol.35, No.3, pp.171-179 (2007)

カット野菜の微生物制御手法として, 酸性電解水およびオゾン水を用いた手法について概説した。 強酸性電解水は単純な浸漬処理において, 各種カット野菜に対して従来使用されている殺菌剤, 次亜塩素酸ナトリウム水溶液 (150ppm) と同等の殺菌効果を示した。 強アルカリ性電解水を用いて予備洗浄した後, 強酸性電解水で殺菌することで殺菌効果を向上させることができた。 この際, 撹拌しながら処理することが効果的であった。 強酸性電解水あるいはオゾン水の作用は野菜表面の微細構造や, 表面におけるバイオフィルム形成の状態によって影響されることが示された。 さらに効果的な殺菌手法として, 50℃ の温水による予備洗浄と強酸性電解水あるいはオゾン水による殺菌との併用が示された。 この洗浄殺菌手法は殺菌効果だけでなく, 処理後保存中のレタスの褐変抑制効果も大きかった。 一方, 保存中の細菌数の増加は保存温度に大きく影響を受けることが示された。
Key words Acidic electrolyzed water / Ozonated water / Sanitizer / Fresh produce.