日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 35, No.3 (2007)



表 題 養殖エビ類の感染症と防疫対策
著 者 高橋幸則 (水産大学校生物生産学科)
掲 載 防菌防黴, Vol.35, No.3, pp.181-188 (2007)

我が国を含む世界のエビ養殖産業は著しく発展した。 とくに, 開発途上諸国においては, 外貨獲得政策の重要な産業として急速に普及し, 経済振興に大きく貢献してきた。 しかし, エビ類の生産量が増加するに伴って, ウイルス, 細菌および真菌などによる病気が多発し, 大きな経済的被害をもたらしている。 我が国も例外ではなく, Nimaviridae 科の white spot virus によるホワイトスポット病 (WSD) やグラム陰性菌の Vibrio penaeicida によるビブリオ病が, また真菌類の Fusarium solani によるフサリウム症などが発生している。 WSD に対しては, PCR 検査によってウイルスフリーの親エビからの種苗生産や施設, 器具, 飼育用水の消毒などによって対応している。 ビブリオ病には, 底質環境の浄化, 免疫賦活物質の投与および抗菌剤による治療が行われている。 フサリウム症に対しては, 底質環境の浄化および低密度飼育法による対応がなされている。
Key words Cultured shrimp (養殖エビ類)/Viral disease (ウイルス病)/Bacterial disease (細菌病)/Mycosis (真菌症)/Prevention (防疫対策).