日本防菌防黴学会

学会のご案内

関連情報

  • English
防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 35, No.4 (2007)



表 題 石鹸の主要浴室真菌の発育に及ぼす影響
著 者 李 憲俊 (衛生微生物研究センター), 小菅旬子 (宮崎大学), 相原真紀, 高鳥浩介 (国立医薬品食品衛生研究所)
掲 載 防菌防黴, Vol.35, No.4, pp.197-200 (2007)

古くから, 浴室では石鹸や石鹸カスが真菌の栄養源になるといわれているが, 科学的な根拠は見当たらない。 そこで我々は、 石鹸が浴室の主要汚染真菌の発育にどのような影響を及ぼすか検討した結果, 普通石鹸は真菌の栄養源になることがなく, 真菌の発育を抑えた。 一方, 変性石鹸に付着したケラチンには Cladosporium sp. の菌糸発育や胞子形成が確認された。 よって, 浴室の真菌は石鹸に発生したのではなく, 変性した石鹸や石鹸カスに付着した汚れ成分に発生したものと推察された。
Key words Fungi in the bathroom (浴室真菌) / Growth of fungi (真菌の発育)/ Soap (石鹸)/Suppres-sion of growth (発育抑制).