表 題 |
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食品の微生物検査法と食中毒発生時の疫学調査法[11] リステリア |
著 者 |
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仲真晶子(東京都健康安全研究センター) |
掲 載 |
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防菌防黴,Vol.36, No.3, pp.173-182(2008) |
リステリア(Listeria monocytogenes)の検査法は,乳・乳製品については1993年に当時の厚生省が IDF の方法(IDF143A)に準拠して定めた方法があるが,他の食品に関しては公定法はない。ISO(国際規格)法としては食品全般・家畜飼料を対象としたリステリアの検査法(ISO11290-1)が定められており,主としてヨーロッパ諸国で用いられている。一方,米国では ISO 法とは異なった方法を採用しており,食品の種類により FDA(食品医薬品局)法とUSDA(農務省)法を使い分けている。最近,分離培地として酵素基質培地が開発され,食品検査に導入されてきた。ISO 法では2004年にリステリアの検査法が改訂され,酵素基質培地の使用が定められた。米国でも酵素基質培地の利用が推奨されている。最近, IDF143A が ISO11290-1に統一されることが決定した。今後,酵素基質培地の導入を含め,わが国においても,国際的な動向をも踏まえたリステリア検査標準法の早期確立が望まれる。また,リステリア症のリスクを考えるうえで,食品中のリステリア菌数測定は重要である。ready-to-eat 食品からリステリアを検出した場合は菌数を測定することが望ましい。
Key words |
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リステリア/Listeria monocytogenes/ready-to-eat 食品/酵素基質培地/ISO(国際規格)法. |
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