表 題 |
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食品の殺菌手法-原理・特徴・現状・課題[4] 化学的手法 (2)食品の次亜塩素酸水による殺菌 その1. 原理と特徴 |
著 者 |
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泉 秀実 (近畿大学生物理工学部生物工学科) |
掲 載 |
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防菌防黴,Vol.36, No.8, pp.541-548(2008) |
2002年に食品添加物指定を受けた強酸性および微酸性次亜塩素酸水は,含有する次亜塩素酸自体と次亜塩素酸から生じるヒドロキシラジカルの酸化反応により,腐敗原因菌と食中毒原因菌に対して強い殺菌力を示す。次亜塩素酸水の生鮮食品(野菜あるいはカット野菜)に対する殺菌効果は,有効塩素濃度,処理方法,温度などによって影響されるが,食品現場での一般的な洗浄方法で,水道水洗浄に比べて 0.5~2 logs の菌数低下が得られる。洗浄によるビタミンC 含量やミネラル含量の低下は少ないが,野菜の種類によっては,組織表面のピッティングやそれに伴う褐変を生じる場合があるので,使用にあたっては,処理後の品質に留意すべきである。
Key words |
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Disinfectant(殺菌剤)/ Electrolyzed acidic water(酸性電解水)/ Hypochlorous acid water(次亜塩素酸水) / Fresh-cut vegetables(カット野菜). |
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