表 題 |
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緑茶抽出物の抗菌活性に対する食品添加物の影響 |
著 者 |
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中山素一,重宗尚文,徳田 一(花王(株)安全性評価研究所),古田可菜子,松下知世,目加田遥子,本城賢一,宮本敬久(九州大学農学研究院生物機能科学部門) |
掲 載 |
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防菌防黴,Vol.36, No.9, pp.569-578 (2008) |
カテキン類を含有する緑茶抽出物(以下 GTE)の抗菌活性を向上させる目的で各種食品添加物との併用効果について検討した。11種の細菌に対して食塩の併用の効果について検討した結果,試験した9種の菌に対して4%食塩との併用により GTE の抗菌活性は2倍から8倍に増大した。また,Listeria monocytogenes と Escherichia coli O157:H7に対して pH5.0, 6.5,8.0において GTE と12種の食品添加物の併用効果を検討した結果,両者に対しクエン酸は試験した全ての pH で併用効果を示した。また,ヘキサメタリン酸ナトリウム,EDTA,エタノールは pH6.5および8.0において併用効果が認められた。低濃度のプロタミンは両菌に対して併用効果を示したが,高濃度では GTE との沈殿の形成により逆に抗菌活性が低下した。以上の試験の結果から,GTE の抗菌活性を向上させるためには,GTE との沈殿を形成しない濃度範囲で,細菌表層に損傷を与える薬剤との併用が有効であることが示唆された。
Key words |
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Green tea extract(緑茶抽出物)/Catechin(カテキン)/NaCl(食塩)/Food additives(食品添加物)/pH/combined effect(併用効果). |
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