日本防菌防黴学会

学会のご案内

関連情報

  • English
防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 36, No.12 (2008)



表 題 バイオフィルムの形成とその制御 ・ 応用 ・ 対策[8]
浴室排水口に発生したバイオフィルムの構成菌とその特性
著 者 古畑勝則(麻布大学)
掲 載 防菌防黴,Vol.36, No.12, pp.881-886(2008)

都内の一戸建て浴室排水口に発生したバイオフィルムを材料に,培地の栄養分と培養日数を考慮して構成菌数の測定を行ったところ,BHI 寒天培地のような栄養価の高い培地でも1日後に集落を形成できるような増殖速度の速い菌種が生息していることが明らかになった。これらを16S rDNA の部分塩基配列を基に菌種同定を行ったところ,A. baumannii であった。また,これら分離株が形成したバイオフィルムを染色し,その吸光度を測定した結果,D. nitroreducens の0.099から P. alcaligenes の9.06の範囲で,平均1.55であり,いずれの分離株でもバイオフィルムの形成が認められた。また,分離株の Hydrophobicity 値を測定したところ,A. temperans の0.002から A. baumannii の0.358であった。なかでも A. baumannii 3株の Hydrophobicity 値はそれぞれ0.358,0.296および0.233と高く,疎水性であった。
Key words バイオフィルム/構成菌/浴室.