日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 37, No.7 (2009)



表 題 銀化合物の抗菌効果検証に関する基礎的研究(ノート)
著 者 坂上吉一,袋瀬直晃,米虫節夫(近畿大学農学部),五味満裕,大崎幸彦(小林製薬(株)中央研究所)
掲 載 防菌防黴,Vol.37,No.7,pp.495-499(2009)

銀化合物のトイレ環境下での抗菌効果を検証するため,銀化合物並びに銀化合物配合水洗トイレ用芳香洗浄製品の大腸菌(EC)および黄色ブドウ球菌(SA)に対する抗菌効果を検討した。ECおよびSAに対する銀化合物の最小有効濃度は,3ppbおよび1ppb(貧栄養環境下。BOD:0mg/l)から,いずれも100ppb(高度な富栄養環境下。BOD:150mg/l)であり,有機物負荷量の増大で高くなる傾向を示した。一方,ECおよびSAに対する「水洗トイレ用芳香洗浄製品(5ppm)と銀化合物の併用条件下」の最小有効濃度値は,いずれの菌でも有機物存在下で3ppbを維持した。以上のことより,銀化合物並びに銀配合製品の効果を検証できたことは一般家庭だけでなく病院等で汚染の温床の一つであり,より清潔性が求められるトイレにおける衛生面を十二分に確保できる可能性があることを示唆している。
Key words Antibacterial Activity(抗菌効果)/Silver Compound(銀化合物)/Preparation containing silver compound(銀配合製品)/Escherichia coli(大腸菌)/Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌).