表 題 |
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次亜塩素酸と含硫アミノ酸添加との相互作用と殺菌効果 |
著 者 |
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岩沢篤郎(昭和大学藤が丘病院),安冨真央(神奈川大学理学部),中村良子(昭和大学藤が丘病院),西本右子(神奈川大学理学部) |
掲 載 |
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防菌防黴,Vol.38,No.2,pp.69-74(2010) |
pH3に調整した次亜塩素酸溶液の殺菌作用へのメチオニン及びシステインの影響を検討した。その結果,0.3mMメチオニンは次亜塩素酸濃度1.2mM以下で,0.3mMシステインは次亜塩素酸濃度1.5mM以下で,結合有効塩素として存在し,即効的な殺菌効果は認められなかった。アミノ酸と次亜塩素酸の相互作用は,メチオニンではモル比1:1,システインではモル比1:3付近を境に変化し,各境界濃度以下ではアミノ酸のアミノ基との相互作用が主であり,境界濃度以上ではじめてS原子との相互作用が生じた。以上,次亜塩素酸の殺菌作用はN原子における相互作用がはじめに起こり,次いでS原子との相互作用が生じることで起こると考えられた。
Key words |
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Hypochlorous acid(次亜塩素酸)/Bactericidal effects(殺菌効果)/pH/Methionine(メチオニン)/Cysteine(システイン)/NMR. |
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